ごあいさつ

この店を始めて今年で45年になります。
子どもの本の専門店が全国的にも珍しかった頃から、「この店にいると楽しくて時間を忘れる」と言ってくださる、
ありがたいお客様の声に支えられ、ここまで続けてこられました。
絵本や木のおもちゃは、何世代にもわたって子どもと大人を繋ぐ最高のツールであるというのが、僕の信念です。
子どもたちはもちろん大人の方にも絵本の魅力、木のおもちゃで遊ぶ楽しさをもっと知っていただきたいと思っています。

だから、店に来てくださったお客様には「お父さん、お母さんもお子さんと一緒にぜひ遊んでください。」とよくお話ししています。
子どもはただおもちゃや絵本を与えられただけでは、遊べないからです。大人と一緒に遊びながら、
子どもたちは自分たちの遊び方を発見し、その体験を糧にして成長していきます。
そんなことを言われても、「遊び方がわからない。面白さがわからない。」と思われる方もいらっしゃると思います。
そんな時こそ、僕らの出番です。
お子さんの年齢や、好みはもちろん、一緒に遊ぶお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんがどんなものが好きか、
どんなふうに楽しみたいかをお聞きして、いろいろな絵本やおもちゃをご紹介させていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
遊び方がわかると、お子さんよりハマってしまう親御さんも多いです。ぜひ、実際に触れて遊んでみていただければと思います。

そして、店内には、1万冊以上の絵本や児童書、日本・ヨーロッパの優れたおもちゃが所狭しと並んでいます。
どれも専門店として、僕たちが心を込めて選んだものです。きっとこの中に、みなさんの宝物になるもの、昔宝物だったものたちが隠れているはずです。
まずはひとつ、目にとまった気になるもの手に取って、ゆったりと宝物探しを楽しんでみてください。

理系の学生だったぼくが絵本に興味をもったきっかけも、たまたまラジオで聴いた谷川俊太郎さんの絵本の一節でした。


かっぱかっぱらった
かっぱらっぱかっぱらった
とってちてたかっぱなっぱかった
かっぱなっぱいっぱかった
かってきてくった
(『ことばあそびうた』(福音館書店)より)

声に出して読むと、子どもも大人もみんな楽しくなるそんな絵本です。

横田やは、ぼくたち夫婦でやっている小さな店なので、時にはお待たせしたり、
行き届かないことがあったりするかもしれません。その際は、どうかご容赦いただければ幸いです。

時々、人形劇や落語の会なども開いています。子どもも大人も一緒に楽しめるそんな空間をこれからも続けていきたいと思っています。
店の外見から、何をやっている店かよくわからなくて入るのを躊躇ったなんて言われることもありますが、お近くにお越しの際は、怖がらずぜひお気軽にお立ち寄りください。
お待ちしております。

店主 横田重俊 横田敬子